ブロック積みの仕組み
積み重なった、謎の直方体。
先日、打ち合わせ室にて発見しました。
何だと思い近づくと。
正体は、おもちゃのコンクリートブロック(発泡スチロール製)。
子どもたちに外構について知ってもらうため購入したお品です。
こんなおもちゃまで置いてあるとは。
カ〇ンズ、流石です。
このブロック、重さは違えど、サイズはしっかり390×190と規格通り。
こんな楽しい遊び道具があるのに、使わない手はありません。
無垢な子どもたちに破壊されてしまう前に、遊びつくしましょう。
高く積み上げたり
ドアの前に積み上げて行き止まりにしたり
秘密基地を作ってみたりとか
昔はいろいろやりましたね。
しかしここで問題が。
私、仕事中でした(^o^)
大の大人が、一体何をしているんでしょう。
でもせっかくなので、何かに利用したい。
ということで、本日は!
外構工事の基本「ブロック積み」について、この子たちを使いながら解説してみます。
まず初めに、ブロックの形状から。
皆さん、「コンクリートブロック」と聞くと、どんなイメージがありますか?
私はこんなのが思い浮かびます。
よくある形の、THE・コンクリートブロックですね。
これを、基本ブロックと呼びます。
でもこれ以外に、大きく2つの形があるんです。
左がコーナーブロック。
片方がふさがっているので、ブロック塀の角部分に使用します。
右は、横筋ブロック。
ある程度高さのある塀には、鉄筋を横向きに入れないといけません。
このブロックは上部に空間があるので、横向きの鉄筋(横筋)を入れることができます。
それを踏まえて、ブロックは大まかに、このように積んでいきます。
①地面をしっかり転圧し、砂利を敷き詰める
敷き詰まってますね。
②基礎を作る
次に、あまり知られていない重要な工程です。
地面に埋まっていて見えないのですが、ブロック塀の下には、このような大きな基礎があります。
この部分があるから、倒壊に強い塀が出来上がるわけです。
③積む
やっとブロックを積みの工程に。
基準となる糸を張ったら、水平器とにらめっこしながら、ブロックを積んでいきます。
真ん中にあるのは、縦方向の鉄筋(縦筋)。
縦筋や横筋があるので、塀が真ん中でボキッと折れてしまうのを防げます。
ブロックを積むといっても、ただ上にのせればいいわけではありません。
接着剤として、モルタルをのせていきます。
モルタルをのせたら…
ブロックをのせ終わり。
これをただひたすら繰り返します。
あとは余分なモルタルを落とし、ぐいぐいっと押し固めたら、完成!!
とんでもなく大雑把にいうと、だいたいこんな感じです。
つまり、ブロック塀は横から見ると…
このようになっているんです。
逆T字とでもいうんでしょうか。
基礎や砂利は地中に埋まってしまい見えないのですが、これがないとブロック塀はフニャフニャに。
縁の下の力持ちです。
沢山の工程があるので、ブロック塀工事は大抵、3.4日ほどかかります。
普段目にしているものでも、こんな苦労が陰にあって出来上がるんですね。
感謝感謝。
ざっと説明しましたが、お分かりいただけましたでしょうか?
私もたくさん遊べまして、満足です。
これで、心置きなく子どもたちに遊んでもらえます。
煮るなり焼くなり、好きに使ってくれ。
私も時折、ボランティアの一環で外構工事をしたりするんですが、これがまた大変大変。
CADだと数秒で完成するものが、現場では4日かかるんですからね…。
職人の方って凄いなぁとつくづく思います。
皆さんの働きに感謝し、苦労をねぎらいつつ
私はこれからも、事務所で遊びたいと思います。