プリツカー賞
昨日、職場のラジオに速報が飛び込んできました。
「2024年のプリツカー賞を、山本理顕氏が受賞」。
おめでとうございます!
ぷ….ぷりつか……
藤塚翔???
そんな方にご説明しましょう。
プリツカー賞とは、建築家に授与される名誉ある賞のこと。
1979年に始まって以来、「建築を通じて人類や環境に一貫した意義深い貢献をしてきた」建築家が受賞してきました。
建築界には、大層な歴史を持つ「RIBA Gold Medal」というものもありますが、プリツカー賞の歴史は浅め。
でも受賞者には、スッケスケな自宅で有名なフィリップ・ジョンソン、今も健在フランク・ゲーリー、日本近代建築の巨匠:丹下健三など…
建築に詳しい方なら誰もが聞いたことがあろう、名だたる建築家がこの賞を受賞してきました。
今では「建築のノーベル賞」とも呼ばれることも。
ちなみに、日本人はこれまで9人が受賞し、これは国籍別では最多だそうです。
建築を、特に建築史を専攻していた者だけあって、この話題は外せません。
ということで、さっそくネタにしました。
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さて、今回プリツカー賞を受賞された山本理顕氏。
「公共空間」のあり方や、建築と共同体とのつながりなどを深く追求されている方です。
理顕氏の建築では一貫して、人の活動を建築の表面に押し出したり、人間同士がつながりを持つための工夫がちりばめられています。
どういうことか。
例えばこの作品。
埼玉県立大学 設計:山本理顕設計工場 1999.1
理顕氏の代表作である、埼玉県立大学。
複数の建物が複雑に混じりあいながらも、どこか一体感があります。
よく見ると、配置計画や外構計画、段差の処理など、お互いの活動を「見せる」工夫がたくさんありますね。
このようにして、「公」と「私」の垣根が、巧みに払いのけられています。
大学にありがちな、閉鎖的な空間、学部ごとのカラー、保守的な空気とは一線を介す建物です。
こんな場所でおくる、青春キャンパス・ライフ。
味わってみたかったものです。
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他にも、はこだて未来大学、天津図書館、ソウル江南ハウジング、子安小学校など…。
今回はたった1つしか紹介できませんでしたが、理顕氏の建築は信念がはっきりしており、本当に興味深いものばかり。
ぜひ、また調べてみてください。
建築の沼に、一緒に足を踏み入れましょう。
このような作品を見ると、世の中にはとんでもない才能を持つ人が沢山いる、と痛感します。
私が今からプリツカー賞を目指すのは、もう手遅れ。
これからの季節
せめて、熱中賞は受賞しないよう気を付けます。
写真 Riken Yamamoto : https://www.riken-yamamoto.co.jp/